今日の名言
今日は今学期、いや、アメリカ生活最後の授業だったのですが Intercultural Studies のプロフェッサーが授業の終わりに、君たちに伝えたいことがある、とこう言いました。
“ If you hate others, you are also hating yourself ”
私は、
『ん?どういうこっちゃ??』
と思いましたが、プロフェッサーはそのまま話を続けました。
“ユダヤ人を差別していたある有名な夫婦がいた。この男は生涯ユダヤ人を嫌い続けていたしこの男と結婚した若い女もユダヤ人を差別していた。だが妙なことに男は歳をとるにつれユダヤ人顔になっていった。色んな人にそれを言われた男は遂に血液検査をして自分の人種を調べた。彼はユダヤ人だった。そして、彼の奥さんもユダヤ人だった。”
“これは私が先ほどいった 'If you hate others, you are hating yourself' の良い例だ。私たちは 〜人、〜人種、〜信者 などで自分たちを区切っているが実際は全て曖昧なのだ。あなたが嫌っている宗教や人種の人たちの血があなたの体に入っているかは誰もわからない。特定のグループを批判することはあなた自身を批判することになりうる。歴史は複雑であなたが誰なのかをきっちりと決める境目はない。”
“メキシコ人が中国人をみて差別をするのはとても面白い。なぜなら20,000年前メキシコの先祖の半分はアジアからきたのだから。彼らの中にもアジアの血は入っているのにそれでもなお中国人を差別するのは自分を差別していることに他ならない。”
“白人が黒人を差別するのもとても滑稽だ。私たちの先祖は皆アフリカからきたのだから。その血をみんなが受けているにも関わらず差別をするということは、ではあなたは一体何者なのだ、ということになる。”
この名言を聞いてブログ書かずにはいられませんでした。。。
このプロフェッサーは元々は人類学のプロフェッサーで国際文化についての授業なども開講してるんですが、もう、今までで取ってよかった授業の一つです。
本当にその通りで、私たちが今の価値観を持っているのってただ歴史的にどこの国が戦争で勝っただの負けただのっていうのの産物なんですよね。
もしチンギスハンが死なずにヨーロッパに攻めていたらヨーロピアンはみんな髪の毛が黒く、アジア人よりの顔になっていたかもしれない。そしてアジア人が世界のビューティースタンダードになっていたかもしれない。
もし黒人が古代ギリシャにペルシャの代わりに攻めていたらヨーロッパ人は黒人風の風貌になっていたかもしれないし白人がむしろ奴隷になっていたかもしれない。そうしたらイエスキリストは黒人になっていたかもしれない。
私たちが持っている価値観っていうのはただそんな歴史が理由であって、誰が優れているからとかそんなんでは決してない。
そしていつの時代でも、マジョリティが力をもち、ルールを決め、マイノリティを支配する。
アメリカ本土でアジア人がマジョリティだったら白人を差別するだろうし、今起こっている時事問題は白人が悪いわけではない。人間はそういうものだし今の世界のシステムがこう作用しているのはただ偶然の重なりで永遠の真実ではない。
だからここでの結論は、それをみんな踏まえた上で価値観というものを持つべきだということ。もしこれを読んでいるあなたが白人みたいな風貌になりたいなどと思うのはあなたの自由、まったく問題ない。でも美の基準も全て力を持つものがルールを決めて支配したのだということを理解した上でないといけない。
私たちは自分がどこからきてどんな歴史を経てここにいるのかはわからない。
だからこそ“ If you hate others, you are also hating yourself ” を胸に留めておきたい。
最高のアメリカコミカレ留学のシメになりました。私が今までブログに書いてきた考えは全てアメリカに留学したからこそ考えられたこと。ヨーロッパも移民が多いから、アメリカの南米や黒人問題とはまた違った中東やアフリカなどとの問題を学べそうだし、新しいことを学べるのが喜びででしかないです。
アメリカに来て本当に、本当によかった。
では今日はこんなところで。