資本主義社会とドラッグ問題
今アメリカの高校や大学で流行っているドラッグ《Aderall》アデロールという物をご存知ですか?
注意欠陥多動性障害(adhd)やナルコレプシー(睡眠障害の一種)の治療に用いられる配合剤。 刺激薬の一種である。「 dextroamphetamine-amphetamine(デキストロアンフェタミン-アンフェタミン)」とも呼ばれる。
これは多動症やADHDなどを持った人に処方される薬なんですが、これをアメリカ人は勉強のために使います。
一流大学に行く人から中堅大学に行く人、そしていい大学に入るために高校生までもがいい成績を取り続けるためにこの薬を使用し寝ずに課題に取り組みます。
中には親が子供の成績のために与える事もあるそうです。
いわゆる"スマートドラッグ"という物ですね。
とはいえこれは薬物乱用です。それを親もが子供に与えるなんてとても狂った社会ですよね。超資本主義国アメリカを強く感じさせる社会問題です。
アデロールはアメリカに来て一年くらいした時に知った言葉なんですが、今日社会学の授業で取り上げられて色々と思ったことがあったので思った事をメモとして書き留めておこうと思います。
資本主義社会では成功する者とそうでない者の2つにきっかりと分かれます。
それゆえ超資本主義社会のアメリカでは超上流階級→中の上流階級→中の下流階級→下流階級という偏った社会構造になっていると私は思います。と、いうか自分の階級はどこだと思いますか?と質問した時に返ってくる答えがこの4つに分類されると思います。
日本やヨーロッパは下流階級がそこまで多くないけど全ての階級に人がバランスよくいる感じですよね。社会性民主主義的な体制を取っていてただの資本主義ではないからですよね。
なのでアメリカではいくらいい会社に勤めていて上流階級のように見えても物価が高いことや子供の教育にお金がかかりすぎて(私立大学は年間600万ほどかかります)上流階級と感じれるような暮らしができない事が多いことから自分は中の上流階級だと感じる《上流階級に見える人》たちが多いのだと思います。
こんな超資本主義社会の中で子供たちは社会規格に振り回され、貧しい家庭の子供も裕福な家庭の子供もドラッグに手を出してしまうのだと思います。
あ、もちろんみんながやっているわけではないですよ??ほとんどの人は普通に勉強してると思いますが、アデロールの使用率が増えているということです。貧しい家庭の子供たちもみんな違法薬物をやっているわけではありませんがそういう傾向にあるという話です。
貧しい家庭の子供たちは初めから成功できるためのそもそもの土台の資金がないことで自動的に資本主義のシステムに飲み込まれてしまう絶望や、資本主義によって生み出された個別化(individualization)によって孤独感を感じることで違法薬物に手を出してしまう。
裕福な家庭の子達も資本主義社会の過度な競争に飲み込まれ、成功を余儀なくされるためアデロールなどの薬物乱用をしてしまう。いい成績を取るために集中できる薬を乱用してしまう。
でもこれは何も子供たちに限った問題ではありません。
競争を強要される資本主義社会では働き続ける事を強制されるため、多くの人がコーヒーを飲む。いたるところにコーヒーショップがある事や社会的に容認されている事により忘れがちですが、カフェインも薬物の一種です。アデロールは究極な例ですが、脳に刺激を与え眠気を吹き飛ばすカフェインもこのスマートドラッグ社会問題の一つの例だと言ってもいいと思います。
アメリカのトップ1%が富の半分を所有するこの社会は人々を壊すまで止まらないのでしょうかね。
色々と考えてしまった今日の社会学の授業でした。
では!